開発事例集
小惑星探査ローバー搭載アンテナ
- ご相談内容
- 小惑星探査ローバー「MINERVA-II」に設置するアンテナの開発依頼
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- 課題
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ローバー特有の条件に合致する形状・材質
小型化・薄型化
耐宇宙環境性
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- 背景
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小惑星探査ローバー「MINERVA-II」は探査機「はやぶさ2」に搭載され、小惑星「リュウグウ」を探査、観察するロボットです。この「ローバー」と「はやぶさ2」の間の通信に使われるアンテナの開発依頼がありました。
アンテナを配置できる場所は「ローバー」表面に敷き詰められた太陽光パネル同士のわずかな隙間のみに限られながら、使用周波数や指向性などの特性条件を満たす必要があります。宇宙特有の環境条件である温度変化、紫外線、放射線、打ち上げ時の振動衝撃などに耐えることも要求されます。
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- 解決策
- 環境条件を満たす基板材料を選定し、極力薄型化・低姿勢化・軽量化を図ることで打ち上げ時の振動衝撃を軽減するとともに、太陽光パネル同士の隙間への配置を可能にしました。
- 成果
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小惑星「リュウグウ」上をホップしながら自律移動するローバー
ローバー(モックアップ)上に取り付けた逆Fアンテナ
使用される周波数特性、偏波において、-5dBi以上の覆域が±90deg以上。
「ローバー」は「リュウグウ」に無事タッチダウンし、運用を実施し小惑星探査機「はやぶさ2」に画像データを送信しました。
- 担当者の声
- 弊社のアンテナが日本の宇宙への挑戦に貢献しました。これからも様々なアンテナの開発を行い、世に送り出していきます。